逓増定期保険の税務・経理処理変更についての国税庁案が、本日(12月26日)国税庁ホームページにアップされました。 改正案に対し広く一般の意見を求めるパブリックコメントという形式を取っています。
この改正案のポイントは・・・
1.従来100%損金算入となっていた逓増定期保険については50%損金算入。
2.平成20年のある日を基準として、それ以前に契約したものについては通達発布後も旧通達に従った経理処理を認める。
注目すべきは2.の部分です。
これまでの保険税制の変更については下のQ&Aでも解説したとおり、「基準日以降支払期日の到来する保険料から新税制を適用する」という形をとっていました。すなわち、通達発出前に契約した場合でも、通達発出後に支払う保険料(掛金)については新税制を適用するというルールになっていました。
それが今回の改正案では、通達文上に示された基準日以前の契約については通達発出後も不利な税制変更を免れることになります。これはこれまでの保険税制の変更において前例の無い画期的な出来事であります。
パブリックコメントの募集期限は平成20年1月31日となっているので、正式な通達が発出されるのは早くても2月に入ってから、ということになります。
そうなると誰でも考えるのは、通達発出前の駆け込み契約です。平成19年3月23日に国税庁より生命保険協会に税制変更を検討する旨通告があったことをきっかけにほとんどの保険会社がこの商品の販売を自粛する中で、弊社の知る限り、3社が現時点においても販売を継続しています。
3月決算の企業を中心に通達発出前の駆け込み契約がこの3社に殺到することが予想されます。
しかし、通達発出前に契約すれば旧税制での処理すなわち先々まで100%損金算入が可能、という風に上手く行くとは限りません。
今回の案では、旧税制と新税制の境目となる基準日として平成20年 月 日というふうに月日を空欄にする形での記載となっています。
問題はここにどういう日付が入るのか、ということです。
通達の発布は上で述べたとおり早くても2月以降ですが、ここの部分に通達発布日以前の日付が入る可能性は十分にあると考えています。
もしここが1月1日となってしまうと、年が明けてからの契約は1回目の保険料(掛金)からすべて新税制が適用となり、駆け込み契約は封じられることになります。
基準日が何月何日になるのか、ということは通達が出てみないと分からないので、判断は非常に難しくなります。
日本経済の先行きが不透明さを増す中で、保険を活用した財務対策を実行したいという企業は少なからず存在すると思いますが、今後の逓増定期導入の検討に当たっては、新税制を前提としてメリット・デメリットの検討を行い、もし駆け込みが上手く行ったら儲けモノというくらいの姿勢で対処するべきでしょう。
※ 今回国税庁のホームページ上に掲示された改正案はあくまで素案です。最終的にはパブリックコメントの結果も踏まえて正式通達が発布されることになります。正式通達の内容が今回掲示された改正案以上に厳しくなる可能性も100%無いとは言い切れません。また上記には弊社の予想・類推・憶測が多く含まれておりますが、その結果については一切の責任を負いかねますのであらかじめご了解をお願いします。契約済みの逓増的保険の処理や逓増定期保険の新規契約のご検討などについてはあくまで自己責任でお願いいたします。